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日本学術会議会長コメント
日本学術会議は、敗戦後の混乱期であります昭和24年1月に設立されました。当初は、現在の文部科学省の審議会などで行われております科学研究費のあり方の検討や、 文教予算の配分に関する具体的な提言までしていた記録が残っています。それ以来、平成21年1月時点で丁度60年経ちました。この間、政府との関係がギクシャクした時代を経て、平成17年10月から始まった第20期では、 大改革が行われました。まず人文社会系、生命科学系、理・工系の3部制になり、70歳の定年制が敷かれ、会員が会員を選ぶことになり、女性会員が20%になり、連携会員がほぼ2000名任命されるなど、多くの点で改革が実行されました。そして、いくつかの微調整はありましたが、この新しい体制がよく機能することが多くの会員・連携会員にも理解されたと思います。
言うまでもないことですが、日本学術会議の使命のひとつは「社会のための科学(Science for Society)」の推進であります。こうした観点から日本学術会議は、まず日本社会における様々な多面的な問題について、人文社会系や自然科学系など全ての学術分野の科学者の集まりである利点を生かして、議論し提言してきました。また、国内だけでなく世界に目を向け、限りある資源、増え続ける地球上の人口、次第に広がる南北格差、いよいよ現実味を帯びてきた地球温暖化、 増加する自然災害の脅威、などに対抗しながら、「持続可能な社会」がどうすれば実現するかを、学術的な視点から冷静に考えています。
日本学術会議のもう一つの大きな使命は、「科学のための科学 (Science for Science)」の推進であります。我が国の科学者がこれまでに成し遂げてきました大きな科学的発見のほとんどすべては、社会への貢献を目指すことから出発したのではない純粋に基礎研究から生まれたものであることを我々は重視しています。勿論その中には、後に思いがけず社会に役立つことになった研究もあるのですが、研究が行われている時には、 純粋基礎研究であったことが重要です。このような、20年後、30年後に花開くかも知れない地味な研究に、我が国が温かい眼差しを向けることができる国に成熟することを心から期待しています。
さて、こうして新生日本学術会議の最初の3年が過ぎて第21期を迎えることになり、偶々私はもう一度会長を務めることになりました。第20期の時のように、生まれ変わったばかりであるからなどという言い訳はもう通用しません。本格的に「独り歩き」をしなければならなくなりました。そこで、第21期の大きな課題として、学術の世界から今後20〜30年先を見通した長期展望を議論するつもりです。その成果は、「日本の展望―学術からの提言」として世に問うことになっています。ゆくゆくはこうした展望を6年に1回ずつ発信してゆくことにしていますので、会員と連携会員の方々のご協力を心からお願いいたします。そして、こうした学術からの発信を国民の皆様が真剣に受け止めて下さることを心から期待しています。
【参考】
日本学術会議ホームページ http://www.scj.go.jp/
【問い合わせ先】
日本学術会議事務局庶務課文書係
電話 : 03-3403-1906(直通) E-mail : g227 scj.go.jp
[設立と構成]
日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興と人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命として、1949年5月に設立されました。
会議法第2条によれば、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発展を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的としています。
日本学術会議は登録された学術研究団体から推薦された210名の会員で構成され、7部に分かれています。会員の任期は3年で、現在の第19期は平成15年7月に発足しました。
[改革の経緯と方向]
日本学術会議の在り方については、行政改革会議において中央省庁等改革の一環として検討が行われ、平成9年12月の最終報告を受けて内閣府から総務省に移管されました。平成13年5月からは、引き続き総合科学技術会議(議長・小泉総理大臣)において検討が行われ、平成15年2月に意見具申(政府決定)がなされました。
これを受けて同年7月には日本学術会議の改革推進委員会が改革の具体化について考え方を示し、総務省において改革法案の作成作業が進められているところです。改革法案は次期国会に提出され、成立すれば新体制による第20期の会員選出作業が始まります。
新しい日本学術会議は、社会に開かれた科学者コミュニティの存在を基盤として、(1)政策提言・助言機能、(2)科学者交流・連携機能、(3)国際交流・協力機能、(4)社会対話・説明機能などの重要な機能を果たすことを使命とし、現在のみならず将来に亘る諸課題に積極的に取り組むことが求められています。
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