歯学・口腔科学分野の課題と展望2023
歯学・口腔科学分野の課題と展望 -未来に問う2023-
ここに日本学術会議歯学委員会及び3分科会(基礎系歯学分科会、病態系歯学分科会、臨床系歯学分科会)が編集した「歯学・口腔科学分野の課題と展望 -未来に問う2023-」を日本歯学系学会協議会ホームページにアップさせていただきます。
これは、歯学委員会および3分科会がまとめた日本学術会議報告「歯学・口腔科学分野の課題と展望2023」とそれをまとめるにあたって作成いただいた論文、資料を集めたものです。日本学術会議報告、提言等には、本文のページ数に制約があるため、その内容を著しく絞らざるを得なかったため、このような形を取りました。
「歯学・口腔科学分野の課題と展望2023」をまとめた背景は、この報告の冒頭に書いてあります。繰り返しになりますが、再度簡単に記載させていただきます。自らの学術研究を推進するためには、未知への探求と同時にその研究内容を日本及び世界と比較し、その強みや課題を的確に把握することが重要です。さらに、社会情勢の変化で、その自らあるいは近隣の学術領域のみならず、「人類の生存基盤」や「人間と科学技術との関係」の再検討など、科学をとりまく社会情勢にも目を向ける必要が出てきております。グローバル・アジェンダ、さらにはSDGsと、世界の国々そして人々が取り組むべき課題が新たに提示され、歯学においてもそれらを視野においた新しい取り組みや展望が求められるようになっております。さらに我が国全体の研究力の低下が指摘され、さらに、IoT、AIに代表されるよう仮想空間と現実空間の融合、ビッグデータの連携がもたらす未来社会(Society 5.0)の観点からも、歯学のあり方を再考することも求められております。今回以上の観点から、日本学術会議会員、連携会員及び各領域のフロントランナーの研究者に論文を依頼し、本報告がまとめられました。
歯学、口腔科学領域の学術研究に携われているより多くの方に、本報告及びその一次論文を確認いただき、Science for Scienceの観点からだけでなく、Science for Societyあるいは分野横断的な観点から各領域の学術の現状と将来について吟味していただければと考えております。
最後になりましたが、平素から日本学術会議歯学委員会及び3分科会にご支援ご協力いただき、今回はこのような場を提供していただいた日本歯学系学会協議会と所属学協会に深く感謝申し上げます。
令和5年9月29日
日本学術会議 歯学委員会
25期委員長 市川哲雄(臨床系歯学分科会委員長)
25期副委員長 西村理行(基礎系歯学分科会委員長)
25期幹事 村上伸也(病態系歯学分科会委員長)
日本学術会議 報告「歯学・口腔科学分野の課題と展望2023」
上記の日本学術会議報告のもとになった論文
基礎歯学領域(口腔科学基礎)
- 唾液腺
- 骨・軟骨代謝
- 歯・顎・顔面の発生・異常
- 神経・感覚・運動
- 免疫・感染
- 再生歯科医学
- がん
- 歯科バイオマテリアル
臨床歯学領域(口腔科学臨床)
- 口腔の発生・発育の維持・増進
- 口腔感染症に対する予防・治療
- 咀嚼機能の維持・増進
- 口腔がん、唾液腺疾患に対する予防・治療
- その他病態系歯学領域の予防・治療
Society5.0・SDGsを踏まえた歯学・口腔科学の展望
- 基礎歯科医学におけるドライ解析・ビッグデータを用いた最先端研究
- 歯科臨床におけるバイオインフォマティクスと医療ビッグデータ
- 歯科医学とAI・ICT(診断、遠隔診断)、歯科医療のデジタル化
- 歯科治療のグリーン化(脱材料化)、レジリエント化
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